子供の好き嫌いが、親の自分と似てるかも?
そんなふうに思ったことはありませんか?
我が家の娘は、私と同じく梅干しやもずく酢などの酸っぱいものが大好きで、自分に似ているなぁと感じています。
味覚や食べ物の好き嫌いは遺伝するのでしょうか?
この記事では、味覚の遺伝に焦点を当ててその真相を探ります。
パクチーの好き嫌いは遺伝子で決まる?!という噂についても解説していきます!
味覚や好き嫌いと遺伝子の関係
味覚の遺伝には、いくつかの要因が関与しています。
味覚は、舌や口の中に存在する味蕾(みらい)と呼ばれる細胞が担っています。
味蕾の表面には、特定の味を感知する味覚受容体が存在します。
味覚受容体は5つの基本的な味を感知することができます。
それが、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味 です。
味覚受容体の種類や数には遺伝子が関わっていて、特に苦味や甘味、塩味、酸味に対する感受性は、個々の遺伝子によって影響を受けるとされています。
味覚に関与する代表的な遺伝子には次のようなものがあります。
- TAS2R 遺伝子ファミリー: TAS2R(taste 2 receptor) 苦味を感知する味覚受容体に関わる遺伝子。
- TAS1R 遺伝子ファミリー: TAS1R(taste 1 receptor) 甘味とうま味を感知する味覚受容体に関わる遺伝子。
- ENaC 遺伝子: ENaC(epithelial sodium channel) 塩味の感知に重要な遺伝子。
これらの遺伝子の変異や多型が、個々の人々の味覚の違いに影響しています。
なお、味覚は単一の遺伝子だけでなく、複数の遺伝子や遺伝子と環境の相互作用によっても影響を受けるため、個々の味覚の特性は非常に複雑です。
遺伝子と環境の相互作用が味覚の形成にどのように影響するかを明らかにするため、多岐にわたる研究が行われています。
親の食習慣と子供の味覚への影響
遺伝子だけでなく、親の食習慣をはじめとする環境や文化も味覚に影響を与えます。
同じ遺伝子を持っていても、環境が異なれば好みや感受性に差がでることがあります。
親が好む食べ物や食卓の傾向といった親の食習慣は、子供に影響を与える可能性があります。
子供は親の食習慣を通じて様々な味に触れ、これが味覚形成に一定の影響を及ぼすと考えられているのです。
一例として、納豆は日本の食文化に根付いている食品であり、他の国々では一般的ではなく苦手とする人が多いです。
これも、文化的な違いが納豆の風味や食感に対する感受性に影響していると言えるでしょう。
妊娠中の食事と胎児の味覚形成
妊娠中の食事は、胎児の味覚形成に重要な影響を与えると考えられています。
母親が特定の味を好む場合、胎児はその味に早くから触れることとなり、これが将来の味覚や好き嫌いに影響を与える可能性があります。
胎児は、妊娠中に母体が摂取した栄養や味にさまざまな形で触れます。
胎児の味覚は、羊水中に含まれる物質や母体の血液を通じて影響を受けます。
また、妊娠中期以降は、胎児が味覚受容体を発達させる時期でもあります。
妊娠中に母体が多様な栄養素を摂取することは、胎児の味覚形成に影響すると考えられています。
母体が摂取した食事の成分は、胎児に香りや風味としても伝達されます。
これにより、胎児は早い段階からさまざまな味を経験し、母体の食事と連動しながら味覚を発達させていくと言われているのです。
パクチーの好き嫌いは遺伝子で決まる?!
「パクチーの好き嫌いは遺伝子で決まる」という噂は、一部の研究結果に基づいているものの、完全には確証がありません。
パクチーの味や香りに対する個々の感受性は、遺伝子にも一部影響される可能性がありますが、他の要因も大いに影響していると考えられているのです。
一部の研究では、特定の遺伝子(OR6A2遺伝子)とパクチーの好き嫌いに相関がある可能性が示唆されています。
この遺伝子は、パクチーの特有の香り成分に対する感受性と関連しているとされています。
ただし、この遺伝子だけでなく、味覚受容体や嗅覚受容体に関わる他の遺伝子や脳の処理機構も影響を与えている可能性があります。
一方で、文化や環境も味覚に大きな影響を与えることが分かっています。
例えば、特定の食材や香辛料に慣れ親しんでいる文化圏の人々は、それらの食材に対して異なる感受性を持つことがあるからです。
遺伝子と環境の相互作用が複雑に絡んでおり、パクチーの好き嫌いが遺伝子で決まるかどうかは、まだ科学的な答えがありません。
まとめ
味覚は遺伝子や環境の影響を受けながら形成されます。
親から子への味覚の影響は複雑であり、遺伝子や環境、胎児期など様々な要素が関係しています。
味覚には個人差も大きいですが、子供の食育や健康に気を配りながら、いろいろな味に触れさせてあげたいですね!